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熊野三山( 本宮大社、速玉大社、那智大社)と「那智の滝」

熊野三山は和歌山県の南東部にあって、3つの神社(熊野本宮大社、熊野速玉大社、熊野那智大社)の総称です。それぞれが20~40㎞の距離を隔てて位置していますが、「熊野古道」によって、お互いに結ばれています。3社は個別の自然崇拝に起源を持ち、奈良と平安後期からは神仏習合の思想として「熊野三所権現」および寺院である青岸渡寺と補陀洛山寺の2寺も、加わって信仰されるようになりました。これらの寺社は、2004年7月にユネスコの世界遺産に登録されています。
熊野本宮大社は田辺市本宮町にあつて、古式ゆかしい雰囲気を漂わせる神の聖地です。檜皮葺の立派な社殿や周りには、杉木立が生い茂り、杉林には真っ赤なヒガンバナが群落が目を惹きました。つぎに熊野速玉大社は新宮市にあって、神倉神社のゴトビキ岩に降臨した熊野権現を勧進するため、社殿を造営したと伝えられています。とくに夫婦神や水の動きを神格化したものと考えられ、また境内には樹齢千年を越すのナギの巨木があり、天然記念物に指定されています。
一方、熊野那智大社は那智勝浦町にあって、万物の生成・育成を司るとされ、また縁結びの神様として崇められています。そしてすぐ近くに、日本三名瀑の1つである「那智の滝」があり、那智大社の別宮である飛瀧神社の御神体として祀られています。参道には滝のしぶきに濡れて、薄紅色のシュウカイドウと白いヤブミョウガの花たちが揺れていました。また神仏習合として那智山青岸渡寺があり、この寺の三重塔と共に見る「那智の大滝」の姿は見事の極みです。「熊野三山の社殿群」、「那智の滝」と「青岸渡寺」・・・、日本人の自然信仰と祈りと、自然美の有難さを教えていただきました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2022年01月24日
- 更新日
- 2022年01月24日 14時 50分