癒し憩い画像データベース/九州がんセンター

　吹割渓谷は片品川の支流にあります。数キロにわたる大絶壁と森林の中の「詩のみち」、凝灰岩や花崗岩からなる河床の清流、滝・・・、独特の渓谷美をみせてくれます。岩からなる広い河床の「千畳敷」、浮島に架かる２つの橋とそばの「浮島観音堂」、獅子岩・屏風岩・般若岩などの奇岩。そして、何と言っても東洋のナイアガラと呼ばれる天然記念物「吹割の滝」。 　　

　この滝は、渓谷の清流が長い年月を経て、岩質からなる河床の軟らかい部分を浸食して形成されました。その割れ目に落ち込む瀑布が、巨大な岩を吹き割ったように見えることから名付けられた「吹割の滝」。高さ７ｍ、幅３０ｍにおよんで、広い河の水が割れ目に落ち込み、ゴウゴウと水煙を揚げる姿・・・、他の滝では見られない景観です。また、そのすぐ下流には「鱒飛の滝」があり、緑の清流と白い瀑布を見せていました。

　吹割渓谷は自然の創造美に富んだ渓谷です。そしてこの吹割の渓谷と滝は、四季それぞれの景観を見せてくれます。

 今回、再訪したのは晩秋。黄葉や紅葉を纏った渓谷は、灰白色の奇岩や常緑樹の緑葉などと、彩り豊かな自然美を見せていました。この秋の渓谷の中を、水量ゆたかに渓流が走り、川床が割れて白い飛沫が逆巻く滝となり・・・、大小の岩を濡らしていました。岩の窪みには秋の落葉たちが重なり、また離れては、水の流れに身を任せていました。空、渓谷、岩、川面、滝も、すっかり秋の風情に溶け込んでいました。（潮 信輔９