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秋・紅葉期の南会津「塔のへつり」
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国指定の天然記念物である「塔のへつり」は、南会津を流れる大川が形成した渓谷の景勝地です。「へつり」とは、“川岸が切り立ったような崖”を言い、この地方での方言で“危険な崖”との意味とか・・・。この地帯は凝灰岩や凝灰角礫岩などが層をなしています。そして軟弱部が、100万年もの長い年月による風化や水の浸食によって削られ、洞窟や奇岩・怪岩を形成したものです。
全長約200mにわたって、屏風岩、烏帽子岩、九輪塔岩などの奇岩が並ぶ岸壁・・・。それらの岩の下は、岩肌に掘られたような自然の遊歩道となっていて、揺れる吊り橋につながっています。
春に見た緑葉期の「塔のへつり」が、秋にはどのような景観に変わるのかを見たくて、秋に再訪しました。灰白色の奇岩群を並べた柱状の渓谷は、多くの木々が、黄葉や紅葉を纏い、すっかり秋模様を見せてくれました。川面に映る奇岩と紅葉の影は、深まりゆく秋を映して・・・、落ち着いた静けさを語っていました。時は、確かに流れていて、自然の美しさを奏でていました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2013年03月25日
- 更新日
- 2017年10月05日 08時 51分