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マツムシソウ(松虫草)「蕾から花と実へ」
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マツムシソウ(松虫草)は、日本と朝鮮半島を原産とする多年草です。草原に群生し、北海道から九州に分布。山地や草原とくに高原の明るいところに咲き、草原の初秋をいろどり、秋の高原を代表する花です。8月中旬ごろから一ヶ月ほど咲き続ける楚々とした可憐な花。和名の由来は、マツムシの鳴く頃に咲くからとの説が有力です。
草丈は50~90cm。花は長い茎の先端に、多くの花が集まった頭状花を形成します。花序の直径は4cm前後。中心部の花は筒状で、外側の花冠の先端は5つの裂片に分かれます。そして周辺の花は、3つの裂片が大きく外側に伸びます。
葉は対生し、羽状で深く裂けています。花のあとは、海坊主のような形へ・・・。実は長さ2㎝ほどの集合果で、長目の球形~円筒状の果実の表面には密毛があります。また集合果の下方には、刺状の剛毛が5~8本、認められます。
マツムシソウの特徴は、なんと言っても淡い青紫の花にあります。上品な雰囲気を漂わせ、初秋を感じさせる美しい花で、気品を感じます。花ことばは「感じやすい」、「風情」、「健気」、「悲しみの花嫁」、「恵まれぬ恋」など。ちょっと寂しさを感じさせる花の色と風情かも知れません。そこに、魅力もあるのですが。
毎年、初秋になると淡い青紫色のマツムシソウに逢いたくて、高原に足を向けます。そして草原を吹く渡る涼風を肌にうけ、揺れるマツムシソウの姿に接すると、今年も秋になったのだなあ、と思います。来年に向けて、気持ちを新たにします。(潮 信輔)
- 登録日
- 2019年09月11日
- 更新日
- 2019年09月13日 12時 18分