TOP > テーマ別おすすめ画像 > 夏の岡山城の「櫓・石垣・門」
テーマ別おすすめ画像
夏の岡山城の「櫓・石垣・門」
Okayama Castle: turrets, stone walls and gates
/
岡山城は平野の中にあって、十数メートルの小高い丘陵に築かれた梯郭式の平山城です。山陽路の名城で、高く積まれた石垣、黒漆塗りの下見板など、安土桃山時代に特徴的な城郭の姿を見ることができます。かつては櫓35棟、多聞6棟、城門32棟などがあったとのこと。現在の棟は、3つの櫓を残すのみ。歴史の流れを感じさせます。
このうち隅櫓(すみやぐら)は、最上階に廻縁をつけた楼閣風の櫓です。別名「月見櫓」とも呼ばれ、第4代城主・池田忠雄が建てたものとのこと。幸いにも戦火を免れ、創建時の姿を今に伝えています。国指定の重要文化財に指定されています。
本丸を形づくる石垣は、石の積み方が場所によって大きく違います。これは宇喜多・小早川・池田の3家による築城の歴史を反映しています。宇喜多家による「野面(のづら)積み」。これは自然石をほとんど加工せずに、そのまま積んだ石垣です。池田家による「切込接(きりこみはぎ)」は、しっかり加工して隙間なく積み上げる方式。またこれらの積み方に加えて、「打込接(うちこみはぎ)」や「算木積み」も隣り合った様子でみられます。
全国には多くの城があり、それぞれ特徴があります。岡山城は黒い天守から「烏城」とも呼ばれています。これに加えて長い歴史を語る岡山城の石垣には、形や積み方に違いが見られます。そしてこれら苔むした石垣の間では夏の野草たちが生え、風に揺れていました。風格と風情を感じさせてくれました。(潮 信輔)
- 登録日
- 2012年05月20日
- 更新日
- 2016年10月01日 11時 42分